熨斗(のし)の起源について
普段、周年記念品や退職記念品を始めとした表彰記念品などの贈り物の際に礼儀として付けたりしますが、「熨斗の起源は?」と聞かれると中々答えに詰まってしまうものです。
そのほかにも「そもそも熨斗紙とも言うけど、熨斗と同じもの?」などの疑問も湧いてきます。
今回の記事では、
・熨斗と熨斗紙の違い
・熨斗の起源
・熨斗の元になった熨斗あわびの名前の由来は?
などを説明します。
★熨斗と熨斗紙の違い
まず、熨斗の概念から説明します。
熨斗とは一般的に贈答品(贈り物)に添える飾りです。
普段、熨斗と一括りに呼んでいるものは正式には熨斗紙(印刷のし)で、熨斗とは紙の右上にある飾りのものを指します。
贈答品を送る際の熨斗と言えば、元々は包装の右上に熨斗を貼り付け、水引で包んだものが正式な形でした。
時代の変化と共に一般的になった熨斗は略式の形で1枚の紙になりました。
現代では、熨斗紙になったものを、まとめて熨斗と呼ぶ機会が多くなっているのです。
★熨斗の起源について
結論から申し上げると、貝のあわびを薄く剥いたものを長く切り、干した後に伸ばしたもの、通称「熨斗あわび」が熨斗の起源と言われています。
日本では古くから、贈り物には縁起物の干しあわび(後に熨斗あわびと呼ばれる)を添える風習があったそうです。
熨斗あわびは、その工程で伸ばすことから寿命や商売を伸ばす、慶事における喜びを伸ばすとも言われてました。
また、古来より神事のお供え物としても用いられてきており、食物の中でも特別なものでした。
時には、栄養価が高く長持ちすることから保存食としても重宝されました。
そういった特長を持った熨斗あわびは、やがて縁起物として祝事や慶事の贈答品に添えて、祝意の表しとして用いられる様になりました。
その際、束ねた熨斗あわびを、純粋を意味する白い和紙と、魔除を意味する赤く染めた和紙を重ね合わせたもので包んで水引で止め結びました。
これが「折熨斗」と呼ばれるものの原型となります。
「折熨斗」は、印刷技術の発展や熨斗という文化が広まったことを機に簡素化され、熨斗紙の中に「熨斗」として残り続けています。
★なぜ熨斗あわび?
熨斗あわびとは、前述の通り貝のあわびを伸ばしたものですが、なぜ熨斗という漢字を用いたのでしょうか?
一説では、一部の地域で火熨斗(現在で言うところのアイロンの様な道具)で伸ばしていたことから、熨斗で伸ばしたあわびとして「熨斗あわび」と呼ぶようになったそうです。
以上の様に熨斗にも長い歴史があります。
今回は周年記念品や退職記念品でも使われる機会の多い熨斗の起源を一説に基づいて説明いたしました。
ぜひ周年記念品や退職記念品をはじめとした表彰記念品の企画提案時や打ち合わせの時の話のネタとしてご参考にいただければ幸いです。
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